日本でもすっかり定着したシウマイは、中国でもほぼ全国的に食される人気のメニューのひとつです。特に広東地方では、飲茶にかかせない点心の代表格として親しまれ、ひと口で食べられる小ぷりで薄い皮のものが良いとされています。中央軒の焼麦は、長崎在住の中国人に教えを乞い、この東風のあっさりとした味を基本に中央軒独自のものに仕上げました。中央軒は、明治25年鳥栖駅開設とともに駅売り弁当で創業。それ以後、鉄道の発展とともに歩み今日に至っています。
長崎街道の分岐の地である鳥栖は、中世の昔より情報と物流の要衝でした。長崎の新しい文化・情報と豊かな九州の産物が交差する地点鳥栖は、鉄道の時代となってもその要で、多くのヒト・モノ情報がこの地に集まり、各所へ運ばれていきました。中央軒は、昭和31年、当時まだハイカラでめずらしかった点心(焼麦)をいちはやく商品化しました。当時のハイカラとは、洋式の生活、ヤマトナデシコの妻、支那料理、といわれるほど、まだ中国料理は一般的ではありませんでした。長崎への地の利と、各地より手に入る素晴らしい材料により、本格約な焼麦を商品化することができました。それ以来、変わらぬ味で行き交う旅人に喜ばれ、親しまれています。